企業の災害時の対応マニュアルとは?ハザードマップ活用法も解説
企業の災害対策において「ハザードマップをどう活用すればいいのか」「防災といっても具体的な対策がわからない」「災害時の対応マニュアルはどうしたらいいのか」といった疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、ハザードマップの効果的な活用術、主要な災害への具体的な対策、そして災害時の対応マニュアルについて解説します。
この記事を最後まで読むことで、有事の際に機能する災害対応マニュアルを整備するための実践的なヒントを得られるでしょう。
社内共有を促すハザードマップ活用術
企業のリスクマネジメントと災害対策において、ハザードマップは非常に強力なツールです。しかし、ハザードマップを単に用意するだけでは、その真価を発揮できません。重要なのは、ハザードマップを全従業員が理解し、日々の業務や緊急時の行動に活かせるよう、効果的に社内共有し運用することです。
ハザードマップを従業員に浸透させ、活用を促すためには、以下の方法を意識しましょう。
デジタルでの共有とアクセシビリティ
紙媒体だけでなく、社内ネットワークやクラウドストレージ、または専用のイントラネットポータルなどでハザードマップをデジタルデータとして共有しましょう。これにより、従業員はいつでもどこからでもハザードマップにアクセスできるようになります。
視覚的な情報の活用と具体性の強化
ハザードマップの情報を、事業所の所在地マップや従業員の通勤経路図と連携させて表示するなど、より身近な情報として捉えられるよう工夫します。例えば、自社の建物が浸水想定区域のどこに位置するか、避難経路が危険区域を避けているかなどを明確に示します。また、外国人従業員がいる場合は、多言語対応のハザードマップを用意することも重要です。視覚的な情報は理解を深めるのに役立ちます。
定期的な周知と更新
ハザードマップの内容は、災害想定の見直しや土地開発などによって更新されることがあります。そのため、定期的に最新のハザードマップを入手し、社内共有している情報を更新しましょう。また、年に一度の防災訓練時や、新入社員研修時など、定期的な機会を設けて事業所をプロットしたハザードマップを周知徹底し、従業員の防災意識を常に高く保つよう促すことが重要です。
企業ができる火災・地震・水害への具体的な対策とは?
企業のリスクマネジメントにおいて、主要な災害である火災・地震・水害への対策は必須です。これらの災害は、発生メカニズムや被害特性が異なるため、それぞれに特化した対策を立て、実行する必要があります。
各災害特徴と具体的な対策
火災・地震・水害の特徴を知り、具体的な対策を講じましょう。
火災
火災は、電気系統のショート、可燃物の不適切な管理、ヒューマンエラーなど、様々な原因で発生し得ます。初期消火が遅れると瞬く間に延焼し、人的被害だけでなく、企業の財産や情報資産に甚大な損害を与える可能性があります。煙による視界不良や有毒ガス発生も大きなリスクです。
火災への具体的な対策として、以下が挙げられます。
- 避難経路の確保と明示
- 初期消火訓練と消防設備の点検
- 防火規程の整備と周知
- 消防計画の作成・届出( 自社ビルと賃貸オフィスの違いに注意)
地震
地震は突発的に発生し、揺れによる建物や設備の損壊、家具・什器の転倒、火災や津波の二次災害を引き起こす可能性があります。交通インフラの停止により、従業員の帰宅困難問題やサプライチェーンの寸断も発生します。揺れによるパニックや負傷者の発生もリスクの一つです。
地震への具体的な対策として、以下が挙げられます。
- オフィスの耐震対策
- 装置・什器備品の固定
- 安否確認システムの導入
- 備蓄品の準備
- 帰宅困難者対策
水害
集中豪雨や台風による河川の氾濫、内水氾濫などで発生する水害は、建物の浸水、地下設備の被害、電力・通信インフラの停止などを引き起こします。ハザードマップで浸水想定区域が示されている地域では、特に注意が必要です。土砂災害や交通麻痺も伴うことがあります。
水害への具体的な対策として、以下が挙げられます。
- 浸水防止対策
- 重要設備の高層階配置
- 避難経路の確保とハザードマップ活用
- 電力・通信インフラの確保
災害発生時の初動対応
各災害に共通する初動対応として、以下の手順を規程に盛り込み、訓練を通じて習熟させることが大切です。
- 通報:迅速に災害状況を関係機関(消防、警察など)や社内(対策本部、管理者)に連絡します。
- 避難:従業員の安全を最優先し、事前に定めた避難経路で安全な場所へ避難します。
- 初期活動:初期消火、負傷者の救護、危険箇所の隔離など、被害拡大を防ぐための初期活動を行います。
災害時の対応マニュアルについて
災害対応マニュアルとは、企業や組織の事業活動において、災害発生時に考えられるリスクを被害を軽減し、発生後に適切に対応するための計画のことです。
企業のリスクマネジメントにおいて、災害発生時に従業員が取るべき行動や、組織としての方針を明確にする規程は極めて重要です。どれだけ詳細なハザードマップや具体的な対策を準備しても、有事の際にその内容が組織全体で共有され、行動に結びつかなければ意味がありません。
災害対応マニュアルに含めるべき主要な内容
災害対応マニュアルには、以下の主要な内容を盛り込みましょう。
- 想定される災害の明確化
- 災害対応体制の明確化
- 災害別の対応要領( 火災、地震、水害、大雪、・・・)
- 二次災害の防止と避難
- 帰宅困難者対策
- 備蓄品
災害対応マニュアルの周知と防災研修・訓練
災害対応マニュアルは、作成するだけでなく、全従業員に周知徹底し、理解を深めていくことで初めてその価値を発揮します。新入社員研修での説明、定期的な防災研修(音声や動画も活用)、社内ネットワークでの公開、重要箇所の掲示など、従業員がいつでもアクセスし、内容を理解できる環境を整備することが重要です。
また、訓練を通じて災害対応の習熟度を高めるとともに、実効性を検証し、必要に応じて見直しを行う継続的な運用が不可欠です。
企業のリスクマネジメントを強化する「地域との連携」対策
災害対策というと、つい自社の建物や従業員を守ることに意識が集中しがちです。もちろんそれは最優先ですが、企業のリスクマネジメントを考えるうえで、「地域社会との連携」は極めて重要な対策の一つとなります。大規模災害が発生すると企業は被災者であると同時に、地域社会を支える一員となります。孤立を防ぎ、スムーズな復旧を果たすために、次の対策を検討しましょう。
地域のハザードマップ情報を共有する
自社のマニュアルに、周辺の公共施設(避難所、医療機関、給水所など)の情報を盛り込み、地域全体の避難体制を理解しましょう。これは、従業員が地域住民となる場合にも役立ちます。
近隣の企業や自治体との協定
水害対策のための土嚢や、地震対策のための備蓄品などを、近隣企業と共同で管理する協定を結ぶことも有効です。また、自治体との間で、一時的な避難場所の提供や物資の融通に関する協定を検討しましょう。
地域の防災訓練への参加
自治体が主催する災害訓練に積極的に参加することで、緊急時の地域全体の手順やルールを学ぶことができます。
企業の災害対応マニュアル、災害対策のご相談はBCリテラシーへ
この記事では、ハザードマップの効果的な運用術、火災・地震・水害といった主要な災害への具体的な対策、そして有事の際に機能するリスクマネジメント規程について解説しました。
ハザードマップを単なる情報として終わらせず、社内での共有を促し、従業員一人ひとりが自身のリスクを認識することは、企業全体の防災意識を高める第一歩です。また、災害対応マニュアルを整備し、継続的に運用することで、災害時の迅速な意思決定と行動が可能になります。
企業の災害対応マニュアルや災害対策に関するご相談は、BCリテラシーへお任せください。BCリテラシーでは、災害対応マニュアルの作成や防災研修・防災訓練に関する支援が可能です。
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